浮き階段風の跳ね出し施工

目次

浮き階段とは?

「浮き階段」や「フローティングステップ」と呼ばれるような工法は、段差が一見浮いているように見える浮遊感ある階段の総称です。デザイナーズな建築内装ではよく取り入れらる様式ですが、外構・エクステリアにおいては完全に浮いた施工というのは基本的に困難ですので色々と工夫して実現しています。段差の立ち上がり部分よりもステップ面が少し前へ跳ね出すことで少し浮遊感を感じる、そんな施工方法についてご紹介していきます。

浮き階段のメリット・デメリットは?

浮き階段のメリットは?

何よりスタイリッシュで格好いい!

いちいち書くまでもなく、浮き階段はぱっと見スタイリッシュで格好いいですよね。リゾート感があってトレンドを感じます。具体的には跳ね出し部分の水平ラインが強調されますのでスタイリッシュに感じるのと、段が重なり合っているので1段1段がより広く感じます。

間接照明で更にスタイリッシュに!

浮き階段の重なり合った凹み部分には目線レベルからの死角が出来ます。その部分にライン照明を取り付けることで、日中目立たず夜は足元を照らす間接照明になります。浮き階段+間接照明=富裕層、というイメージがあるかと思いますが、多少コスト増になれど普通に外構・エクステリアの一部として満足のいく空間に仕上げることができます。

浮き階段にデメリットはあるの?

比較的施工にコストが掛かる

例えばタイル貼りの浮き階段をつくる際には、先に跳ね出した下地をつくり、上と側面にタイルを貼り、立ち上がり部分を化粧する、と多くの工程を経て完成します。そこには想像しただけでもコストが掛かるのは分かるかと思います。ただコンクリート平板や化粧ブロックを用いることでシンプルな施工に纏めることで、コスト的なデメリットを解消する手法もあります。

利用に少し気を遣う、掃除に多少手間が掛かる

タイルや平板が大きく跳ね出しているため、その部分で飛び跳ねたり重いものを置いたりするのには気を遣うかと思います。(もちろん実際それによって破損することのない安全内で跳ね出していますので大丈夫ではありますが)また跳ね出した下の隙間部分に汚れがたまったり、時には蜘蛛が巣を張ったり、と凹みがあるだけにほんの少し綺麗に保つための世話が掛かるのは事実です。

何より設計・施工できる業者が限られてくる

跳ね出すということは次の段は引っ込む訳で、タイルを貼るということはタイルの厚み分も考慮する必要がある訳で、設計にも施工にもいろいろ逆算したりノウハウが必要になります。簡単に誰にでも出来るわけでなく、本当にきちんと設計通りに現場を収めるためには、設計者にも職人にも経験と意思の疎通が必要です。この辺りは弊社にお任せ頂ければご安心下さい。

外構・エクステリアにおける浮き階段の色々な手法を紹介

タイルを用いた浮き階段

60cm角の大判タイルを用いた施工例

こちらの現場は駐車場から高低差のある玄関へと上るアプローチを、全て跳ね出し施工による浮き階段でスタイリッシュに表現しました。白い塗り壁に白い大判タイルの階段、そして立ち上がりに塗った黒い塗り壁のラインが頭上のアルミフレームと合わせてアクセントになっています。このように厚みをもって下地をつくったうえでタイルを貼る場合には、大きく跳ね出し幅を取ってダイナミックに表現することが可能です。

30cm角のタイルを用いた施工例

こちらの玄関ポーチの階段を敢えてハウスメーカー側の施工とせず弊社にて設計施工した現場。既に玄関内には30cm角のタイルが貼ってありますので、それと銘柄を合わせて仕上げました。1段あたりの幅はタイル1枚半分の45cmと広めに取り、横向き玄関の狭く感じる玄関周りを広く表現。また真ん中の段をタイル1枚ずらすことで、降りる際の段差の違いを分かり易くしています。立ち上がりは塗り壁でブラックアウトし、割り栗石部分が更に跳ね出しの深みを感じさせています。

コンクリート平板を用いた浮き階段

45cm角のコンクリート平板を用いた施工例

こちらの現場は45cm角のコンクリート平板を跳ね出し、立ち上がりを花壇と同じ濃ダークグレー色の塗り壁で化粧しています。コンクリート平板の種類にも6cm厚のものや4cm厚のものがありますが、こちらは4cm厚の商品で比較的薄く表現できています。またアプローチの階段と駐車場の土間とでは基本的に勾配が違いますので、このように浮き階段の水平ラインを見せることも効果的です。

30×60cm角のコンクリート平板と化粧ブロックを用いた施工例

こちらの現場は30×60cmのコンクリート平板を跳ね出し、立ち上がりを縦ラインの化粧ブロックで持ち上げています。明るいグレーのコンクリート平板に対し、化粧ブロックはダークグレーのものを使用することで浮遊感を演出。また化粧ブロックを用いることで跳ね出し施工に掛かるコストを抑える意味合いもあります。逆にこのような階段にレンガで縁をつけたりすると、よりコストも掛かりますし、何よりスッキリとした今どき感が無くなってしまします。

大きな石板を用いた浮き階段

階段からベンチへと一枚板の石が流れる施工例

模様が特徴的なこちらの自然石はサイズが幅30cm×長さ1.8mの大型のもの。その一枚板のサイズと重量感を生かし、持ち上げたブロックを塗装でブラックアウトすることで浮遊感を演出しています。強度がありますので部分的には完全に石が跳ね出していたり、一度浮いてタイルテラスに橋のように掛かっていたり、片側が大きく跳ね出したベンチになっていたりします。浮き階段では1枚もので表現するのが一番豪華ですね。

側面を塗り分けたシンプルな浮き階段

こちらの現場では坪庭スペースを回廊状に囲う60cm角タイルを1枚並べた通路。すっきりシンプルに表現するため、約1cmのタイル厚みを敢えてシャープに見せ、側面は特に跳ね出さずに塗り壁仕上げでブラックアウト。ウッドデッキの側面も黒いアルミ幕板仕様を採用することで浮遊感を添えています。また黒いアルミレール、黒い柱で持ち上がったベンチ、など全てに直線的で細くブラックアウトされたもので統一しました。

割栗石で素材の厚みを見せた浮遊感あるアプローチ

こちらはアプローチのコンクリート平板と駐車場の土間コンクリートと、至ってフラットな平面空間。そのスリットに粒の大きめな割り栗石を敷き詰めることで、その隙間からコンクリートの厚みが見えます。これは粒の小さい化粧砂利や芝生等でスリットを埋めるの違って、隙間が大きいためにより厚みを感じます。これは意外と盲点ですが、全くの平面空間に浮遊感を演出する効果的な手法となっています。

浮き階段への間接照明によるライティング

まず日中の写真より。こちらは30cm×60cm角のタイルを跳ね出し、立ち上がり部分を塗り壁仕上げでブラックアウトした浮き階段。跳ね出した真下になるべく直接視線に入らないようにLEDライン照明を設置しています。また向かいの壁面は、60cm角のタイルと自然石乱貼り部分の下地に厚み差を設け、四方タイルを跳ね出した部分に同じくLEDライン照明を仕込んでいます。

そして夜の景色。浮き階段の間接照明が足元を照らし、壁面も自然石部分を四方から照らし浮き上がらせています。あと足元にも埋込照明を多数埋め込んで、建物のダウンライトと合わせて明るい空間となっています。夜のライティングを想定しながらも、その照明器具がいかに日中の景観を損なわないかが間接照明を設計する上での大事な部分ですね。

浮き階段風の跳ね出し施工を取り入れた弊社施工例

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